渋谷・青山の美容室 HAIR GUEST
オーナーの宮腰さんに、ヘアーゲストのこだわりやコンセプトについて語ってもらいました。
(インタビューアー: 浦部洋一 Cellotone)
ヘアーゲストのコンセプト
── 店名のヘアーゲストって、ちょっと変わった名前ですね。
宮腰:ヘアーゲストは、その名前にあるように、ゲスト(お客さま)のためのお店なんです。
お客さまが満足してくれる、お客さまの髪の健康を保つために、僕らがどれくらい力になれるか、そういうコンセプトで、決して無理をせず、強引な仕事をせずに、髪の健康を第一に考える仕事をベースにやっていきたいな、と思ってお店を出しました。
例えば、お客さまが、美容室に来られる目的として、流行の髪型にしたいとか、金髪にしたいとか、いろいろあると思います。それはそれでいいのですが、何をするにしても、まず健康を考えながらの施術というものを心がけています。
── 「髪の健康」がコンセプト?
宮腰:「健康」というより、「お客さまのために」がコンセプトです。
やりようによっては何でもありだからやっちゃえ、派手派手だったらいいや、みたいな美容室もあるかもしれませんが、ヘアーゲストでは、そうではなくて、本当にその人に必要な、その人に合った仕事を、状況を見ながら、判断しながらやっていくというやり方がベストだと思っています。
カットなどもそうですが、流行だけにとらわれると、「髪の毛が本当にしっかり収まる」「手入れがしやすい」、色の場合でも「その人に似合った色」のように、当たり前のことなんですけれども、当たり前が意外とできていないところがあるんですね。
美容師仲間とよく話すのですが、今の若い美容師には、パターンが切れない人が多いんですよ。語弊があるかもしれませんが。ヘアスタイルでも、1つのパターンしか切れない。年配の方でも、若い方でも、全部おんなじカットになっちゃう。
本来は、そうではなくて、その人の雰囲気、個性を引き出してあげたり、髪質や顔かたちに合わせたり、それにプラスして、どういう風にしたら、楽に自分で形をつけられるか、かっこよく見せられるか… プロの仕事は、そこじゃないですか。
あと、自宅での手入れをどうするかということは、アドバイスとしてできるんですけれども、ベースをつくってあげるのは僕たち美容師なので、そこをしっかりと考えてますね。
── お客さまもその辺りは、なんとなく感じているんですよね?
宮腰:面白いといっては何ですが、興味深い話があります。
お客さまをずっと担当させてもらっていると、ときどき、自分で雑誌をみたり、お友達にこうしたら、と言われたりして、「今日はちょっとこういう風にしてみたいんだけど」と言ってこられることがあります。
「どうしてもやりたいの?」って僕が聞くんですよ。そうすると「うん、ちょっとやってみたい」「じゃあ、一応やってみるね」と、いう会話になります。
自分では、もうちょっとココをこうしたい、というのがあるじゃないですか。僕らは頭全体を見ていて、お客さんの意向を汲みながら、最低限そこに収まるように、僕たちの仕事をしていくわけです。
でも、次回に来られた時に、「やっぱり宮腰さんに黙って切ってもらったほうがいいよね」という話になったりすることが、けっこう多いんですよ(笑)
それで、説明しながら切るんです。「このほうがいいよね」とか、「このほうが収まりがいい」とか。
髪の生え方などは、お客さま自身ではよく分からないと思います。やっぱりここはバランスとして、これ取っちゃうと、顔が余計長く見えるよ〜とか、顔が丸く見えちゃうよ〜とか。その辺りははっきりは言いにくいのですが、やっぱりそういうアドバイスをしてるんですよ。
そのためか、うちでは、お任せしていただけるお客さまが、すごく多いですね。
新規のお客さまの場合でも、いろいろ相談していただければ、かなりの力になれるんじゃないかな、と思います。
この人の顔立ちにはこういうのがいいとか、このバランスが合うとか、そういう基本的なものがあって、あとは、その中のテイストを色で変えたり、パーマをかけたりします。
基本となるカットには、その人その人に合うものがあるんですよ。黄金比じゃないんですが、その中で、その人に合ったアレンジをしていくことが、一番大切なんじゃないかなと思います。
若い美容師の場合、それが分からずに、とにかく流行の切り方、流行のカット。似合っても似合わなくても、とにかく流行をしちゃうことが多い。ヘアーゲストでは、それはないんですよ。
1回限りのお客さまはそれでいいのかもしれないですけれど、うちは、長く来て頂いているお客さんばかりなので、本当にその人の雰囲気にあっている形を追求してますね。
(後編につづく)
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